家族に囲まれているのに安心できなかったあの頃
「家族って、なんだろう」――
そう問いかけ続けていた、学生時代の私がいました。
離婚した父との面会。
離れたくてたまらなかった心と、母への葛藤。
家族であるはずなのに、心を開けず、信じることができなかった私。
血がつながっていても、それだけでは安心できない――そう感じてしまったのも、この頃でした。
ヤングケアラーは、孤立しやすいと言われています。
でも、「家族がいる=安心」とは限らない。
私にとっての“安心できる場所”は、どこだったんだろう。
そんな問いを抱えながら過ごしていたあの日々を、ここから少しずつ綴っていきます。
苦しさの中で、誰にも頼れなかった私
「ケアをしているのに、誰にも気づいてもらえない」
「家族の中にいるのに、心はいつもひとり」
そんな感覚を抱えながら生きてきた私のヤングケアラーとしての経験を、これまで綴ってきました。
あたたかい言葉をかけてくださった方、静かに読んでくださった方、本当にありがとうございます。
今日から、新しいシリーズを始めます。
テーマは――「家族って、何?」
私には、離婚した父や父方の祖父母と過ごす時間がありました。
それでも、誰にも頼れなかった。
心を閉ざして、「早くこの時間が終わってほしい」と静かに願っていた学生時代。
家族に囲まれていたはずなのに、安心はどこにもなかった。
どうして私は、父と会い続けていたのだろう。
「会わない」という選択肢が、なぜ思いつかなかったのだろう。
あの頃の私に、今の私がそっと言葉を届けるように――
ここから10回にわたり、少しずつ当時の気持ちを綴っていきます。
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