あとがき|「心の居場所」はどこにあるのかを探していた
伝えたいこと ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。 このシリーズでは、「家族とは何か?」という問いを、読者の皆さんにそっと投げかけるつもりで綴ってきました。  ...
伝えたいこと ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。 このシリーズでは、「家族とは何か?」という問いを、読者の皆さんにそっと投げかけるつもりで綴ってきました。  ...
描いていた“理想の家族”と現実のギャップ 子どもの頃、私が理想として思い描いていた家族は、 仲が良くて、安心できて、つらいときには支え合える存在でした。 でも現実は―― 食卓に会話はなく、母は病気と闘い、父...
「誰も悪くなかった」と思いたかった私 母の病気も、父の事情も、それぞれに背景があって―― 誰かひとりを責めたいわけじゃない。 できることなら「誰も悪くなかった」と思いたかった。 でも、それでも私は傷ついていた。 たくさん...
「大丈夫なふり」で、心がすり減っていった 学生時代にずっと「家族のこと」を抱えてきた私は、社会人になってからも、どこか“がんばり続けること”が当たり前になっていました。 働けるようになったのだから、普通に働いて、自立しな...
はじめに 「あれ、今の自分…父親に似てる」 そう気づいた瞬間、背筋が凍った。 私は、父親のようにはなりたくなかった。 優しくなりたかった。誰かを支えられる人間でいたかった。 &n...
はじめに 「〇〇大学なんて偏差値が低い。やめとけ」 「管理栄養士?なんでそんな仕事目指すんだよ」 ――馬鹿にするように笑いながら、そう言われました。 そう言ってきたのは、 養育費...
はじめに 「会いたい?」って聞かれても、 私はただ、うなずくしかなかった。 まだ小さかった私に、 「会いたくない」とは言えなかった。 大人の顔色をうかがうのが、すっかり“当たり前”になっていたから。 父との...
はじめに 「“普通の家族”って、何だろう。」 あの頃の私は、そんなことさえ分からなかった。 母が泣き続けているのも、怒鳴り続けるのも、どこの家でもきっとあることなんだろうと、 心のどこかで思い込もうとしてい...
はじめに 思い出したくないのに、 ふとした瞬間に、あのときの光景がよみがえる。 母が、泣き続ける姿。 狂ったように喋り続ける姿。 そのうちに、会話が成立しなくなって。 あの頃の私は、自分の心を、正気を保つことが難しかった...
それは、ふいに思い出される「音」から始まる 「もう大丈夫」と思っていたのに、ある日、テレビから流れる怒鳴り声に心がざわついた。 理由もわからないまま、胸が苦しくなって、息をひそめてしまう。 ――なんで、こんなことで動揺す...